有限会社きちっと きちっと居宅介護支援事業所 佐藤 文恵
◇ 退院後、要介護高齢者が暮らす在宅療養の場において、感染予防対策は重要です。
ご利用者・家族の協力のもと、環境をととのえ、関係するみなさんにも協力をいただきながら、予防に努めましょう。玄関の張り紙や、手指消毒ジェル・マスクなどの用意も訪問しながら状況をくりかえし確認し、衛生管理をお伝えします。
◇ ご利用者・家族の個別性にあわせたコミュニケーションも大切です。
例えば104歳のお誕生日を迎えるAさんは重度の難聴です。
ストーマ袋の便破棄が気になって、何度も「はやく見ておくれー」と呼びます。近づき面と向かって大きな声で「待ってて」と言うのは危険。朝刊をくまなく読むAさんに、文字による伝達方法を主体とすることで、お嫁さんののど枯れも改善、静かな新生活となりました。
また、97歳のBさんは白内障で文字表示がほとんど読めません。
そこで拡聴器を使いマイクをとおし優しい声で、ボリュームいっぱい、声かけをします。特に有熱時、情報収集し主治医へ報告するために、訪問時ドアの隙間から機器を使うと、ケアマネジャーも感染の不安が軽減します。
MLや電話等のツールが上手に使えない世帯もあります。従来のコミュニケーションのポイントをもとに、感染対策を考慮し言語的・准言語的な工夫とともに、個人の尊重、聞き返しやすい雰囲気など態度マナーの配慮も十分に留意し、新しいコミュニケーションを創出していけるとよいでしょう。
高齢者の難聴とコミュニケーション(会話)のポイント ふじみ市役所高齢福祉課
研究ノート 難聴高齢者とのコミュニケーション-ICFモデルの視点から-
佐野智子ら 城西国際大学紀要2015.23(3)
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